もうすぐ・・・。

いよいよ今週末2月12日〜14日にかけ、今回が第105回となる医師国家試験が始まります。
昨年の第4回医師国家試験の合格率平均は89.2%だったそうです。
県連では医学生に受験までの間、国家試験まで頑張る医学生に夜食作りを行なってきました。
そんな、今日が試験前の最後の夜食になります。
今日は、牛丼作りを行ないます。(ホントはカツ丼=勝つ丼に仕様かと...。鍋で作れる夜食だけなので...。ごめんなさい。)

                   出来上がり〜。
                   美味しそ〜〜。

                                     
夜食をしっかり食べて
今週末、医師国家試験 


がんばれーー。
ちなみに、合格発表は3月18日です。

命のともしび


厚生労働省の統計によると、2009年になくなった14歳以下の子供は約4500人、死亡率は年々下がっています。医療や機器が進歩して、より多くの命を救える時代になりました。しかし、最先端の医療を尽くしても治せない病気も存在します。
今の時代に子どものために何ができるか?ある家族の体験された記事が記載されていたので紹介します。


  • 2008年7月22日。人工呼吸器をつけて眠る5歳の陸玖(りく)君、心拍数が下がり始め病室で両親と祖父の3人が見守り、心臓マッサージを受けるかどうか、医師が聞いてきた。「もう、いいよな」と父(40)が言った。母(40)もうなずいた。午前10時半過ぎ、モニターの数字が、ふっとゼロになった、胸はまだ動いていた。陸玖らしく過ごせるように...。そう駆け抜けてきた10ヶ月

 

(中略)

2007年9月。群馬県に暮す陸玖君、毎日体操着で通園していた。母は、陸玖君の片目が中央に寄っていることに気づき、近くの眼科で遠視による斜視と診断。視力の精密検査などしているうち1ヶ月が過ぎた。「頭がいたーい」と訴えるようになり、地域の総合病院に行きMRI検査を受けた。小児科の医師の説明で「すぐに治療が必要です専門の病院に移った方が良いでしょう」そのまま救急車で1時間離れた自治医科大どちぎ子ども医療センターに搬送され、検査結果は脳腫瘍の神経膠腫グリオーマ)だった。小児脳神経外科長の五味医師は「腫瘍が非常に悪性なこと、最善の治療を尽くしても平均生存期間が1年であること、治療を迷っている時間はありません」先生が何を言っているのか分からなかった。立ち上がれず、言葉もでなかった。眠っている陸玖君を見つめながら、涙が止めどなく流れた。
その後放射線治療抗がん剤治療が中心となる治療が続いた。放射線を脳に当てるのは怖くて不安だった「家に帰りたい」と泣いた。11月、頭痛や吐き気が治まり腫瘍は小さくなり自宅で過ごすことを決めた。母は、インターネットで有名な脳外科医のサイトなど見て情報を集めた。でも、治ったと言う情報は見つからなかった。夫婦で話し合い「本人が楽しく過ごせるようにしよう。陸玖らしく過ごせる環境にしょう」そう決めた。2008年4月、いつものように2週に1度病院に行きMRI検査を受けた。腫瘍が脳の別の場所に移っていた、水頭症と呼ばれる状態だった。手術をし頭痛は数日で治まった。ところが、脳のむくみを抑えるため点滴を錠剤に替えると容体が悪化した。食べ物が飲み込みづらく、ろれつが回らない。5月3日改善してはいないけど退院した。
そして、6月3日水頭症が再発、手術しても改善しなく全身が激しく痙攣した。両親はその時が来たら延命治療をすることを選択していた。人工呼吸器を着けた。保育園の友達や先生、親戚、病棟の保育士も毎日のように訪れ絵本を読み聞かせた。1ヶ月が過ぎた
7月22日、心拍数が下がり始めた、心配蘇生術は受けなかった。モニターの数字はゼロになった。
楽しめることを考えて過ごした日々、最後の1ヶ月は親の勝手だったかもしれない。死を受け入れるのに必要な時間だったかもしれない「陸玖はどう思っているのかな」
                         朝日新聞2011・1・24〜27患者を生きるより

医薬品や医療機器が進歩してより多くの命を救える時代になりました。ですがまだ最先端の医療を尽くしても治せない病気もあります。
延命治療を行い命を1日でも永らえることだけが子どもにとって良いことでしょうか。残された時間をどう過ごすか、子どものために何ができるのか、これから家族にとって最善の道を共に話し合いどのように生活をしていくか考えていかなければならない。
(ふせや)

味も見た目も食べやすさも追求 

高齢化に伴って病院や介護施設で需要が拡大している中、介護食品の食品会社が規格されている商品が増えているそうです。(2011.1.27朝日新聞より)
特に「ユニバーサルデザインフード」と言われる規格の商品が見栄えや味に工夫を凝らして介護食を提供しようと知恵を絞っています。
ユニバーサルデザインフードとは

噛む力や飲み込む力が比較的弱い人向けの介護用食品に付けられた名前で、2002年4月に日本介護食品協議会が設立し食品会社、計45社(平成22年9月現在)が集まり、メーカー団体が自主規格を作成し、これまで各社まちまちだった軟らかさや形状の区分表示も統一された。軟らかさや滑らかさによって、「容易に噛める」「歯ぐきでつぶせる」「舌でつぶせる」「噛まなくてよい」の4段階と「とろみ調整食品」に製品を区分している。レトルト食品・冷凍食品・電子レンジ用食品の介護食品

「美味しく食べたい」という願いに応えるべく、、美味しさ・食べやすさ・使いやすさというものを追求し衛生上・安全性は当然のことながら重視していると思います。介護されている家族には便利で必要な商品となっていくでしょう。「今後日本は高齢化が進んでいき商品は増えていくだろう」と介護食品協議会の会長は述べていました。
ただ、国の政策、社会保障が削られ生活の困難な人々が増加しています。介護疲れや、老老世帯の高齢者家族が少しでも介護対策に向けての政策を取り組むべきだと感じ、食の安全な提供、医療の安全な提供を重視していかなければ。
(ふせや)

第32回医学生のつどい(第1回実行委員会)


1月29日〜30日に第32回医学生のつどい第1回実行委員会が東京・東陽町ビスタホテルで行なわれました。全国の医学生や民医連職員がそろい、今回の参加者は約100人(医学生50名、職員50名)が集まりました。
そもそもつどいとは、正式に「民医連の医療と研修を考える医学生のつどい」と言われ、今回を含み5回の実行委員会を開催しつどいのテーマ、目標を医学生同士で語り合い6回目の本番のつどいに向け学習を深め、悩んだり、励ましあい積み重                                               ねて行く会です。

  • 1日目は、全日本民医連長瀬事務局長による講演を行ないました。

民医連の求められる医療とは、社会情勢、求められる医師とは、民医連綱領ができるまでの歴史を語り多いに学びました。
後半は、SGD(スモールグループディスカッション)を行い各班医学生と職員が10人くらい集まり講演を聞いての感想、31つどい(昨年)の振り返り、など班ごとに分かれてディスカッションしました。
又、夜には交流会を行いお互い打ち解けてきたところそれぞれ学年ごとに分かれ自分達の思いや気持ちをぶつけあいその日の夜には多いに学生同士の語りあいが深夜まで行なわれました。


  • 2日目は、昨日での振り返りでさらに細かく討論しよりよい32つどいを作るために何ができるのか?各班自分の考えや思い、気持ちを話しディスカッションしました。

医学生の感想では(参加させていただいた班より)
「他の大学での活動内容が聞け楽しかった。」
「地元では友達が少なく話す機会がなく家に閉じこもり、今回は何となくで参加したけどたくさん語れて良かった。」
「地元の人にももっとつどいの良さを知ってもらいたい」
などほとんどの参加した医学生は「楽しかった」「2実も楽しみ」「来て良かった」お互い学習し、反映、共鳴しともに成長し合えるつどいだと感じました。
これからの医師、医療を支えるのは若い医師、民医連職員です。ともに学び、励まし、そして一歩ずつ前進していきましょう。

次回第2回実行委員会(3月)開催場所は岡山だそうです。
(ふせや)

薬害イレッサ訴訟について

  
イレッサとは
2002年7月に国の承認をうけて販売され、「夢のような新薬」「希望の薬」などと謳われ国内、世界に広まりました。しかし、販売開始から僅か二ヶ月後間質性肺炎(普通の肺炎とは違い呼吸困難による強い苦痛をもたらし死亡することもある危険な病気)という副作用による被害が多発しその数は公表されているだけでも2150人にも上り、その内の810人が副作用で亡くなったと報告されています。





1月7日,東京,大阪両地裁より出されました和解勧告は,被告・アストラゼネカ社が1月24日,国側は1月28日に,話し合いによる解決は拒否との態度を表明したことで和解による解決は事実上なくなりました。和解勧告の拒否の理由に
アストラゼネカ社は

「和解所見ではこの記載(添付文書で間質性肺炎が「重大な副作用」の4番目に記載)が不十分とされたが、販売前の治験段階では副作用の死者は出ていない。賠償責任が生じるほど不十分なものだったのか判断を仰ぎたい」
「結論をあいまいにすれば、今後の抗がん剤開発に影響は大きい」
2011.1.25 読売新聞

一方国側は

「手付かずの論点を多く残したまま和解協議に入るよりも、判決で問題点を指摘していただき、これを整理・検討して、丁寧に制度の在り方を模索したい」
イレッサによる間質性肺炎は薬害ではなく副作用の問題であり、副作用情報の患者への伝え方の問題、インフォームド・コンセントの徹底や、抗がん剤が医薬品副作用被害救済制度の対象にならない問題について検討することで、解決の方向性を見いだすべき」
2011.1.28 細川厚労省 会見より

これまでの薬害訴訟の歴史では、C型肝炎問題、薬害エイズ問題、サリドマイドなどがありました。これらの解決を見出したのは、被害者自身の運動や活動により政治を動かし和解への解決に至っています。
二度と同じ苦しみを味わう人を出したくないという被害者の願いに私たち自身被害者の立場に立ち奮闘し、1日も早く救済するためにできることからはじめては・・・。

(ふせや)

胃ろうについて

朝日新聞(1月7日、19日付)に、元自治医大消化器外科教授の笠原先生と脳神経外科専門医の林先生によるそれぞれの「胃ろうのあり方について」記載されていました。

30年ほど前に「胃ろう」という術式が開発され、リスクが少なく手軽にできる為国内に普及し、約40万人の患者が生命を維持しているそうです。

笠原先生は

「胃ろう患者1人あたり年間400万円の公費、100万円の自己負担が必要となる。「食べれなくなったら胃ろう」という短絡的な思考が増え「誰の為の終末期医療なのか」視点が欠けている、医師の8割、市民の7割が「植物状態に陥ったら胃ろうで生かされるのは拒否したい」と答えている。病院の都合、家族の思惑に左右されず、人間らしく安らかに自然な死を迎える権利を保障されなければならない、終末期医療における胃ろうのあり方について考え直すべき時、
2011.1.7朝日新聞「安易な「胃ろう」やめては」

と述べていました。

一方,林先生は

脳卒中の急性期治療では、栄養を外から補充することには選択の余地はない場合が多い。十分に栄養を補給しつつ治療を行なえば患者が感謝するほど回復するのもまれでない。家族はできる限りの治療をしてほしいと希望する。問題は、「いつ、誰が、栄養補充を次第に減らしたり中止したりすることを決めるのか?」高度医療技術を駆使した延命治療の中止より不自然、論理的に解決するべきハードルも高い、
2011.1.19朝日新聞「栄養やめる条件の議論を」

と述べていました。

現在、医療現場は高度な医療技術が進んで様々な医療器具が昔と比べて発展してきました。便利な世の中になればなるほど問題はでてくるのではないでしょうか?胃ろうという技術では患者が長く生命を維持できるようになり家族は安心するでしょう。しかしその一方では、金銭による負担、治療しても意識障害は回復しない場合などの不安要素もでてくるのではないかと思う。
患者の意思、家族の意思には無数の選択があり悩まされる状況です。高度医療が進むと同時に患者の選択肢も増え続け悩ませる状態が続くのではないでしょうか・・・。
(ふせや)

松本協立病院OSCE対策講座のお知らせ

日時:2011年2月19日(土)
会場:松本協立病院
時間:14時〜16時
対象:医学部4年生

当院の行っているOSCE対策講座は少人数制で、外来の診察室を使って学習をすすめていきます。

医療面接では模擬患者さんと10分間の面接を行ったあと、個別に模擬患者さん・医師との振り返りと、参加者合同で指導医の総合的な面接の評価を行います。

基本的身体診察では医師が指導につき、これまで皆さんが学習してきた内容の復習・確認を行います。

試験が不安な方、ポリクリや学外実習が不安な方、是非お誘いあわせの上ご参加ください。

参加を希望される方は事前の申し込みが必要です。
※申し込み締切は2011年2月17日(木)となっています。なお定員になり次第締め切らせていただきます。

問い合わせ・申し込みは下記のメールアドレスまで
okumurad@chushin-miniren.gr.jp
松本協立病院 医局:奥村